数塾ブログ
学習に取り組むとき、つい「何のために勉強しているのか分からない」「人にやらされている気がする」という気持ちになることはありませんか。そんなときに参考にしたいのが「自己決定論」です。ここでは、自己決定論の基本的な考え方や、学習において活かせるポイントをご紹介します。
自己決定論は、人が自分の行動を「自ら選んでいる」と感じられるほどやる気や意欲が高まるとする考え方です。具体的には、次の三つの要素が深く関わっています。
自発性
自分で決める、考える、選ぶなど、主体的に行動できていると感じること。
有能感
「自分はできる」と感じられる成功体験や達成感を持つこと。
つながり
家族や友人、仲間などと良好な関係を築きながら、「自分は周囲に受け入れられている」と安心できること。
これらの要素がうまく合わさると、「自分で行動を選んでいる」という実感が高まり、学習意欲を自然に高めることができます。
学習意欲の向上
「何のために学ぶのか」「どう学ぶか」を自分で考え、納得して決めると勉強に対する意欲が湧きやすくなります。やらされている勉強とは違い、自分ごととして学べるのが大きなメリットです。
深い理解につながる
自分で勉強する内容や進め方を選ぶと、ただ暗記するのではなく「なぜこの内容が必要か」を考えるようになります。その結果、より深い理解へとつながります。
将来の選択に活かせる
自己決定論を意識すると、「自分が何をしたいか」「何が得意か」をよく理解できるようになり、将来の進学や職業選択にも役立ちます。
まずは一日や一週間で勉強する内容・量を自分で決めてみましょう。過度に無理をする必要はありませんが、目標設定をすることで「自分で決めたからやってみよう」という前向きな気持ちが生まれます。
簡単すぎる目標では成長が見えにくく、達成感が得にくい場合があります。ほんの少し高い目標を設定して、達成したときにしっかりと自分をほめることで、「自分にもできた」という有能感を育むことができます。
「なぜこの教科を勉強するのか」「将来どのように役立ちそうか」を自分なりに考えてみましょう。学習内容を現実の生活や将来の夢に結びつけると、納得感が増して取り組みやすくなります。
自発性を育むうえで、周囲の存在も大切です。家族や友人に学びの進捗を相談したり、必要に応じてアドバイスを求めたりしてみてください。適度なつながりは安心感を生み、勉強に集中する環境を整えてくれます。
やりたいことリストを作る
自分の夢や目標、興味のあることをリストアップし、「それを達成するには何が必要か」を考えながら学習に取り組むと意欲が高まります。
記録をつけて振り返る
目標や勉強内容をノートやアプリなどに記録しておき、定期的に振り返りを行いましょう。小さな達成の積み重ねが自信を築く土台になります。
失敗は成長のチャンス
テストの結果が振るわなかったり、計画通りに進まなかったりしても、それを「なぜ上手くいかなかったのか」を考える機会に変えていくと、次への行動に活かせます。
自己決定論では、「自分の意思で考えて行動している」と感じられることが学習意欲を大きく高めると考えられています。学習計画の立て方から目標設定、日々の振り返りまで、自分で選んで納得するプロセスを大切にすると、ただ「やらなければならない」だけの勉強とは違うモチベーションが生まれます。
自発性・有能感・つながりの三つの要素がやる気を育てる
自分で計画を立てる、学ぶ理由を見いだす、失敗を糧にするなどの方法を取り入れる
学習だけでなく、将来の生き方や仕事選びにもプラスになる考え方
ぜひ、この自己決定論を取り入れながら、自分らしい学び方を見つけてみてください。コツコツと続けるうちに、学ぶことがより楽しく、そして実りあるものになっていくはずです。