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やる気が長続きする!内発的動機づけと外発的動機づけの組み合わせ方

内発的動機づけと外発的動機づけ:学習意欲を高めるふたつの視点



勉強に取り組むとき、「なんとなくやる気が出ない」「どうすれば集中できるのか分からない」といった悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。そんなときに注目したいのが、学習意欲を考えるうえで重要とされる「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。どちらの動機づけも、勉強への向き合い方に大きな影響を与えます。以下ではそれぞれの特徴や活かし方を見ていきましょう。



内発的動機づけとは

内発的動機づけとは、「学ぶこと自体が面白い」「もっと知りたい」という気持ちから自発的に勉強に取り組む状態を指します。たとえば、数学の問題を解く過程そのものが楽しくてつい時間を忘れてしまうようなケースが当てはまります。

  • 探究心や好奇心
    「なぜこうなるのか」「もっと深く知りたい」という気持ちが、学習の大きな原動力となります。

  • 自己成長の喜び
    自分のスキルや知識が少しずつ増えることを喜びとして感じられるため、勉強を続けるモチベーションが保ちやすいのが特徴です。

  • 自主性や主体性
    「これをやりたい」「自分で解決したい」という思いが学習を後押しし、自然と積極的に取り組む姿勢が育まれます。



外発的動機づけとは

外発的動機づけとは、報酬や評価など外側から与えられる要因によって勉強に取り組む状態を指します。たとえば、「テストで良い点を取れば褒められる」「〇点以上を取ればご褒美がもらえる」などが典型的な例です。

  • 結果や評価への意識
    周囲からの評価がモチベーションの源となりやすく、「良い成績を取る」「特定の目標を達成する」ことに集中できます。

  • 短期的なやる気の向上
    報酬や周囲の評価がはっきりしている分、目先の目標に向かって短期間で頑張る原動力になります。

  • 持続力には注意が必要
    評価や報酬が得られなくなると、やる気が急激に下がってしまうこともあるため、長期的に続けるうえでは工夫が求められます。



ふたつの動機づけをどのように活かすか

1. 内発的動機づけを育てるポイント

  • 興味を刺激する工夫
    学習内容を日常生活のなかに見つけたり、関連する話題を調べたりして、「もっと知りたい」という気持ちを育てましょう。

  • 自主的な目標設定
    自分で計画を立てたり、挑戦したい教材を選ぶなど、主体的に学習へ関わる機会をつくると、やらされている感覚が薄れます。

  • 段階的な達成感を積み重ねる
    クリアしやすい小目標から始めて成功体験を積むことで、「やればできる」という自信を育て、さらに知りたい・やりたいという意欲につなげるのが大切です。

2. 外発的動機づけを活かすコツ

  • 具体的で短期的な目標を設定する
    定期テストや模擬試験などの数値目標を明確にすることで、集中力を高められます。

  • ほめる・ごほうびをうまく活用する
    結果に応じてほめられたり、目標達成でごほうびがもらえると、勉強への一時的なモチベーションを引き出せます。

  • 目的意識を常に忘れない
    外部からの評価だけに頼ると、やる気が得られない状況で学習を続けるのが困難になります。報酬の背景にある「なぜそれが必要なのか」を自分なりに理解しておくと、長続きしやすくなります。



内発的動機づけと外発的動機づけのバランス

学習においては、内発的動機づけだけでも外発的動機づけだけでも、なかなかうまくいかない場合があります。純粋な興味だけで取り組むのは理想的なものの、いつでも見つかるとは限りません。一方、外発的な報酬や評価だけを頼りにするのも、モチベーションが下がりやすいリスクがあります。

  • 最初は外発的動機づけでもよい
    テストの点数やごほうびをモチベーションにして勉強を始めるうちに、だんだんとその教科の面白さや達成感を感じるようになり、内発的動機づけへ移行することも十分に考えられます。

  • 学習内容への興味を探る
    どの科目や分野にも必ず「面白さ」を感じられる部分があります。自分に合った形で興味を見出せるよう工夫を重ねることで、外発的なやる気から内発的なやる気へと発展する可能性が高まります。



まとめ

  • 内発的動機づけは「勉強そのものが楽しい」「知りたい」と感じる純粋な意欲を生み出し、長期的な成長を後押しする。

  • 外発的動機づけは周囲の評価やごほうびなどが刺激となり、短期間で大きな成果を出すのに役立つ。

  • どちらか一方に偏りすぎないよう、性格や目標に合わせて両方をうまく取り入れると、学習意欲を効果的に高められる。

勉強を続けるうえで常に高い意欲を維持するのは簡単ではありませんが、内発的動機づけと外発的動機づけのどちらも理解しバランスよく活用することで、より充実した学習体験を得ることができるでしょう。自分がどのような状況で「やる気になるか」を意識しながら、ぜひ学習スタイルを見直してみてください。