有名な記憶のメカニズムとして、貯蔵庫モデル(ボックス・モデル)があります。
貯蔵庫モデルとは、まず感覚器官経て、短期貯蔵庫に入り、十分な反復(リハーサル)により、長期貯蔵庫に入るというものです。
短期貯蔵庫とは、「記憶が一時的に保管される場所であり、容量が小さい」という特徴があります。
長期貯蔵庫とは、「記憶が半永久的に保管される場所であり、容量が非常に大きい」という特徴があります。
短期貯蔵庫に保管される容量は、平均して7±2(5個~9個)の情報しか記憶できないと言われています。
これを認知心理学者のミラーは「マジカルナンバー7±2」と名づけています。
つまり、子どもでも大人でも7個程度のことしか一時的に記憶できず、しかもそれを反復練習しなければ、すぐに忘れてしまうのです。
しかし、これは1つのこと(情報)を7個しか覚えておけないのではなく、1つのかたまり(チャンク)としても7個覚えておけるということを意味します。
それをうまく利用しているものの1つが、語呂合わせです。
例えば、元素記号を覚えるとき、Hは水素、Heはヘリウム、Liはリチウム、…と覚えようとすると、7個程度の元素記号しか一時的には記憶できないことになってしまいます。ところが、「水平リーベ僕の船、…」というような語呂で覚えてみると、20個の元素記号が1つのまとまり(チャンク)となり、より多くの情報を頭に入れておくことができるようになります。
あとは、十分な反復(リハーサル)により、長期貯蔵庫に入れるだけです。
このことから、何かを覚えたい、暗記したいときは、有名な語呂合わせはもちろん、1つの情報をより多くの情報と結びつけていくことが、効率の良い学習方法だと言えます。
関係性の深いものは関連付け、1つの情報に様々な肉付け(意味づけ)をし、バラバラの情報としてではなく、1つのまとまりで覚えることが、上手な暗記方法です。
1つを1つのこととして覚えるのではなく、1つのまとまり(チャンク)として覚えれば、効率良く暗記できるだけでなく、関連付けによって1つ1つのことへの理解も深まり、応用力もつきます。
是非実践してみてください。