数塾ブログ

数学者タレスの逸話

  • 数学者タレス
タレスという人物をご存じでしょうか。
タレスは物事を論理的に説明する「証明」の先駆者であり、中学生で習う、「タレスの定理(直径の円周角は90°)」や「三角形の内角の和は180°」、「二等辺三角形の底角は等しい」、「対頂角は等しい」、「三角形の合同条件」などは、数学者であり商人でもあるギリシャのタレス(紀元前624~546年頃)が証明したものです。
 
  • タレスの逸話
タレスは次のような逸話を残しています。
 
ロバの背中に当時貴重だった塩を積んで川を渡っているとき、ロバが足を滑らせ転んでしまい、積荷の塩が溶けて川に流れてしまい大損しました。
しかし、川で転ぶと積荷が軽くなるということを学習したロバは、その川を渡るたびにわざと転ぶようになってしまいました。
困ったタレスは、ある日積荷に綿を入れておきました。
ロバがいつものように川で転ぶと、その綿が水を吸って逆に重くなり、ロバの悪い癖が直ったといいます。
 
  • タレスの教訓を教育へ
子どもたちは、宿題などで答えを写して終わらせるといった、楽な方法を一度経験してしまうと、次からすぐに答えを写すようになってしまいます。
楽をすることは決して悪いことではありません。
楽をするために、頭を使って考え、工夫することは素晴らしいことだと思います。
しかし同時に、楽をした「代償」を考えなければなりません。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」
若い時にする苦労は貴重な経験となって将来に役立つので、買ってでもする価値があるということわざです。
頑張ったことは必ず自分に返ってきます。
逆に、楽をすればその「代償」も必ず返ってきます。
そのことに気付いたときには取返しがつかないことにも。
そうならないためにも、子どもに悪い癖がある場合は『理由』をしっかり説明し、子どもが『納得』して直していけるようにしましょう。