「勉強したのに成績が上がらないんです」
学習塾で仕事をしていると
「ああ先月も聞いたなぁ…あれそういえば去年もか。いや毎年のように聞いとんなぁ…」
というセリフです。
その子たちの先輩も、そのまた先輩も、そのさらにまた先輩も…さかのぼっていけばお父さん、お母さんたちのときも同じようなセリフを言っていた同級生がいるかもしれません。
なぜ歴史は繰り返すのか。
どうもこの発言の裏には大きく2つパターンがあるようです。
1つ目は「勉強量」を勘違いしている子。
昔担当した生徒で対照的だったA君とB君のお話しをしましょう。
A君「先生、今回は問題集を3周もしたのに75点でした。」
B君「先生、今回は問題集を3周しかしていなかったので、85点でした。」
A君はもちろん本人なりに頑張ったのでしょう。
75点という点数も十分立派ですが、90点を目標にしていた本人には物足りないようです。
ただこちらとしては本人の感覚と実際に90をとるために必要な勉強量が見合っているようには見えません。
受験生として、もしくは他の成績上位層と比べて勉強量はまだまだだな、という感じです。
他にもB君は「今週は宿題しかしてません」と言っていたのが印象的でした。
彼は全国誰もが知っているであろう超有名校に進学しましたが、きっとその中でも優秀な成績を収めていることでしょう。
勉強とは与えられたものだけでなく、自ら課題を発見し克服していく部分がかなりの割合を占めます。
彼はそのことをよくわかっているようでした。
成績の良し悪しは「勉強した量」に比例します。
自分が良い成績を取るためにはどれくらいの勉強量が必要なのか、正しく把握しておく必要がありますね。
一応Aくんについてフォローしておくと、彼が社会と国語で90点を割ったのは見たことがありません
彼は歴史が好きだったので暇があれば社会の単語帳や用語集、資料集を隅から隅まで読み込み、趣味は読書で週に3冊は読むという読書家でもありました。
社会や国語に関しては自然と「できる子」の勉強量をこなしていたのです。
ただこれを「勉強」と思ってみると途端にしんどいもののように思えてきます。
お子さんたちがゲーム、スマホ、漫画などについて語っているのを聞くと、隅から隅まで細かい設定まで調べこんで試行錯誤を繰り返しながら、よくもまあそれだけの時間集中し続けられるものだと感心します。
その熱量の半分、いや1/4でも勉強に向けてくれれば君は相当すばらしい成績が取れるはずだよ…と思わずにはいられません。
好きこそものの上手なれ、とはよく言ったものですね。
金沢校 山本